2008年12月6日土曜日

猫物語17

その日の午後、ちゃこと動物病院に行きいつも通りの治療をして頂きました。

私はそわそわとし、早く水やエサを少量だけど、食べた事を先生に話ししたくて…
家でのちゃこの回復した話しを先生に教えるとかなりびっくりされていました。

内心ダメだと、先生は医者の立場から考えていたとの事で、ありえないというか、
生きようとする力というものは図り知れないものなのだということを…
感慨深げに感じていたようでした。

助手の方たちも喜んでくださり、
ちゃこは病院のスタッフさんたちに何度も頭をなでられていました。

ちゃこは人なつっこいところがあって動物病院に初めて来た時から、
誰にでも抱かれて、よしよしされてましたから…

ただ、元気になってきたとはいえ、あごが変形してしまっているので、
口を閉じることが完全には出来ず、少し開く感じになるのでよだれが常時出るということでした。

そうなんです、ちゃこの通り道をよく見ると、点々とよだれが落ちていて、
私は雑巾を持ってそれを拭きながら、ちゃこの後をついて歩かなければいけませんでした。
これは試練です。

さすがに家族には、このよだれは嫌がられてしまいました。
知らないうちに、よだれが廊下に落ちていたとします。
そこへ家族の誰かが来て、よだれを踏んでしまったら…
そう、私たち家族は一日に何度も靴下を替えなければなりませんでした。

あなたならきっと、「スリッパを履けばいいじゃないの?」と言われるかもしれませんが、
しかし、スリッパだと踏んだかどうか感じることが出来ず、
よだれが付いたままそのスリッパを、家中履きまわしてしまうという危険性があることを…

まあ危険性とは事をあまり大きく言ってしまいましたが、
でも実際のところそうなんです。
で、結局スリッパ禁止の靴下のみということに…

続く…

2008年12月3日水曜日

猫物語16

私は家に帰ると動物病院の先生の話しを思い出した。

病院でのちゃこは舌を上手く使えず、
水も飲むことができなかった。
だから注射器で口の脇から喉に直接注入するしかないこと。
(もちろん注射器といっても針は付いてない。)

なんとか食べることが出来るようになれば…
助かる見込みが出てくると先生が話していたことを…

この日から私と姉は交替で病院にちゃこを連れて数日間通った。
その間にちゃこが回復し、なんとか食べれるようにと願いながら…

それから数日過ぎたある日のこと。
ちゃこが自分でお風呂場に行き水を催促したのである。
そう、ちゃこが変形した舌を使って水を一生懸命飲もうとしたのです。
ほんの少しだけど飲んでいるのです。

そして、私はすぐに軟らかい缶詰を少量お皿に入れ差し出しました。
そうするとちゃこがお魚の臭いを嗅ぎ、食べようと頑張るんです。

私は心の中でちゃこに向い
「少しでもいいから口の中に飲み込めますように…」
と願いました。

しかし、舌が上手く動かないため飲み込むまでいかず、
私はダメかなと諦めかけたその時、
今度は舌ではなく前歯で魚を掴み口の中に入れたのです。
口の中に魚を入れると次はあごを上にして喉にそれを落とそうと…

そして、とうとう食べたんです。
少量だけど食べたのです。
生命の力って凄いですね。
なんとか生きようと頑張る姿、「ちゃこ頑張れ!ファイトだ!」

続く…

2008年11月30日日曜日

猫物語15

その日ちゃこを入院させ家に帰りました。
帰り道、自分の責任のなさについて考えていました。

私は今まできちんと猫を飼えていなかったこと。
かわいいあまり、やってはいけない事に目を伏せていたこと。

頭ではこれはいけないんだと分かっていても、
だって、トイレは外でないとしないからとか、
だって、猫は自然の中で自由に遊びたいんだからとか、
とにかく自分に対して甘く、それを猫のせいにして許してきたこと。

そうしたことで、どうなるのか?
どんな危険性が潜んでいるのか?
そう、私は分かっていたのにそれを許してきた。

生あるペットの一生を預かるということの、重大さを認識していながら…

こうなってしまったことを、あれこれ考えても、
以前のちゃこは戻っては来ないということ。

この犯してしまった罪は償わなければならない。
ちゃこが今後どのようになったとしても、最後まで見届けなければならない。
そう、自分に話した。

次の日、ちゃこを迎えに行った。
ゲージの中で丸くうずくまってじっとしていた。
私がゲージの前に立つと、ちゃこは目線を私に向けじっと見つめた。

私はちゃこの目を見て、家に帰りたがっているのを感じた。
言葉ではない、ちゃこの目が私に訴えてきたのだ。
私はそっとちゃこを抱きかかえ、家に一緒に帰った。

続く…